健康診断や人間ドックで「甲状腺が大きい」、あるいは「腫れている」といわれることがあります。医学的には「甲状腺腫」と呼ばれる状態ですが、甲状腺腫には以下の2種類あり、それぞれ原因や対処法が異なります。

 1)び漫性甲状腺腫・・・甲状腺全体が大きくなっているもの
  バセドウ病や橋本病などの可能性が高く、ホルモン異常を伴う場合には治療が必要になり
  ます。

 2)結節性甲状腺腫・・・甲状腺の一部がコブの様に大きくなるもの
  甲状腺に腫瘍が出来ている可能性があります。

 診察と超音波検査によって1)、2)のいずれであるかを判定し、血液検査でホルモンの状態などを調べますが、2)ではその他に甲状腺の細胞を採取する検査が必要になる場合もあります。
 1)、2)のいずれであっても、実際には治療を必要としない場合も多いので、あまり心配せずに気軽に検査を受けていただく事をお勧めします。

 ご不明の点はお気軽にお問い合わせ下さい。

健康診断や人間ドックなどの血液検査でコレステロールが多いと言われた方も多いのではないでしょうか。コレステロールの中でも悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が多いと動脈硬化、ひいては心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患を起こす危険が高くなりますので要注意です。悪玉コレステロールが高値となる原因には生活習慣や体質などが関係しますが、甲状腺疾患が原因となっている場合もあります。

甲状腺ホルモンの分泌が悪いとLDL(悪玉)コレステロールの代謝が悪くなり血液中に溜まってしまいます。その場合には甲状腺ホルモンを補充する事でコレステロールを減らす事ができますので、コレステロールが多いと言われた方は甲状腺のホルモンを検査しておく必要があります。

 逆に甲状腺ホルモンが過剰になると、血液中のコレステロールは低値になりますので、コレステロールが少ない方も甲状腺の検査が必要です。

日本人のがんで最も多いのが胃がんで、その死亡率は肺がんに次いで2位となっており、毎年約5万人が命を落としています。

当院では、血液検査で胃がんのリスク判定のできるABC検診を行っています。つまり、ピロリ菌の感染の有無(抗体検査)と胃粘膜の萎縮度(ペプシノゲン濃度)によりA群からD群まで分類し、あなたは胃がんになりやすい人なのか、なりにくい人なのかが判定できます。胃カメラの検査が必要かどうかの、判断材料になります。

また、日本人の胃がんの98%はピロリ菌によって生じ、除菌によって胃がんのリスクを少なくする事も可能です。 是非、お受けになる事をお勧めいたします。

ただし検診は自費診療(4000円)となりますのでご了承下さい。また、胃の手術後、胃酸を抑える薬を内服中の方、腎不全の方など一部に検査のできない方もおられます。ご不明の点はお問い合わせ下さい。

甲状腺に疾患を持っている方は妊娠に際して注意しなけらばならないことがあります。また、妊娠・出産は甲状腺ホルモンの分泌を変化させます。以下に要点をまとめます。

  • 妊娠前

ごくわずかでも甲状腺ホルモンの不足があると妊娠し難くなります。不妊の方は甲状腺機能を調べる必要があります。ただし妊娠を前提とした場合には、検査結果の判定が通常とは異なりますので詳しくはご相談下さい。

  • 妊娠中

バセドウ病で治療中の患者さんは、妊娠初期に内服薬をメルカゾールからプロパジールに変更することが必要です。 甲状腺に病気がなくても妊娠10週頃に一過性の甲状腺機能亢進症を起こすことがあります。通常は自然に軽快しますが、治療の必要性は検査で判定します。

  • 出産後

甲状腺の薬を内服中に授乳をして良いかどうかは、その薬によって違いますのでご相談下さい。 産後3〜4ヶ月で一過性の甲状腺機能亢進症を起こすことがあります。治療の必要性は検査で判定します。 気になることがあれば、お気軽にご相談下さい。